甲斐 信博
Kai Nobuhiro
2016年 中途入社
前職:溶接技師
本気で成長したい人は必ず伸びる。
それを見守るのも自分の仕事です。
01
現在、どのような仕事をしていますか?
タンクのような大型品の溶接が自分の担当です。
重量物を載せる架台や大きな振動や圧力に耐えられる設備、絶対に漏れが許されない高圧配管や飛行機のジェットエンジン周りなど、安全性に関わる溶接が多くを占めています。建築資材の鉄骨なども扱いますね。
ステンレスの溶接が多いのですが、チタン、アルミなど難削材の溶接もやります。
自分の担当しているお客様とは直接やりとりしていて、お客様の工場に入って協力会社と一緒に仕事したり、トラックで製品を搬入することもありますよ。もともと一人親方みたいに仕事をしていたので、自分でできることは全部やっています。
02
この仕事のやりがいや面白み、難しく感じる点を教えてください
大型の設備が相手なので、些細なことが人命や安全に関わります。そのため、やりがいよりも使命感で仕事をしている意識のほうが強いです。
技術で信頼を勝ち取っているからこそ、もっと腕を磨き上げていきたいですね。
溶接結果に対して、金属レントゲンが入るときは、溶接の難しさ・奥深さを実感します。
どれだけ大きな溶接範囲でも、小さなピンホール(金属内の空気の穴)やクラック(割れ)などが見つかったら、埋めるためにポイントまで削って、また溶接で埋める… をなくなるまで繰り返します。
絶対に壊れてはいけない設備の部品などで行われるのですが、埋めたところに新しいピンホールができたりして、根気勝負になることもしばしばありますよ。
03
どのように仕事を覚えたり、技術を身につけてきましたか?
いわゆる昭和世代の叩き上げでした。
下積みからはじめて、師匠について回って、見て覚える世界でした。師匠といっても父親なんですが、聞いてもほとんど教えてくれなかったです。
周りの先輩も厳しかった。ハラスメントなんて言葉もなかったから、今考えると理不尽なことの連続ですね。それでもやるしかなかった。技術は人一倍身についたと思いますが、改めて考えると、効率的ではないですね。
そもそも溶接も含めて、この仕事には高所作業や危険物を取り扱うものもあるので、近くで見るのにも限界があるし、教える側も仕事の手を止めるわけにもいかない。
ならば少しずつでもいいから、聞いたりしながら身につけていったほうが早いと思います。
今の自分は「分からなかったら聞いて」というスタンスですが、過去の体験があるからかもしれないですね。
04
これまでを振り返り、心に残っている仕事でのエピソードを教えてください
大手企業の工場内で、飛行機のジェット燃料配管の溶接をしたときはよく覚えています。
屋内に小さな飛行場があるようなイメージの現場なんですが、100%の安全確保や機密情報の漏洩対策があって、とにかくセキュリティやルールが厳しかった。単独行動は絶対に禁止で、トイレに行くときも団体行動なんです。
飛行機関係なので、周りの音もすごく大きい。そんな中で、どんな小さい穴でも許されない燃料配管の溶接をするんです。もう、自分との闘いでした。
他にも食品機械工場や化学繊維工場など、様々な環境で溶接してきました。昔は怖いもの知らずでどこにでも飛び込んでいましたが、今は何とかなるだろうという感覚に変わっています。絶対に何とかしないといけないですし。
05
今後のビジョンについて教えてください
自分がやっているのは、会社の中でも手作業が多く、大型の製品を扱う仕事。
今後、自分のポジションをどうしていくかを考えることもありますよ。
だけど、気は抜けないし、簡単にはいかないことばかりな仕事なので、最終的には本人のやる気次第なところがある。
だから、自分の考えや、やり方も含めて、仕事を押し付けるつもりはない。
自分が将来どうなりたいかっていうのを、自分で考えてもらって、そのうえで選んでもらう仕事なんだと思います。
体が動くうちは、できる限りの仕事は全力でやろうと思っています。
その先のことは分かりませんが、もしやる気のある人がいて、自分の持ってるノウハウや技術を聞かれたら、全部渡すつもりです。
06
どんな人と働きたいと考えていますか?
やる気があって元気な人。これに尽きますね。
一人前になるにはどうしても時間はかかるものなので、やる気というか、「絶対に手に職をつける!」という想いは必要なんだと思います。
元気というのは、活発だったり、饒舌である必要はないんです。
自分や社長は昔ながらの人間だし、口数も少ない。口を開けば口調は強いし、ぶっきらぼうなのも自覚しています。
それでも「おはようございます!」「お疲れ様でした!」って元気に言ってくれれば、十分じゃないのかな。そういうのって大切だと思うし、内心は応援したくなるもんですよ。
オフの時間
趣味は何ですか?
海釣りです。
あとはお酒ですが、最近はほとんど家でしか飲まないです。
休日の過ごし方は?
週末は毎週のように海釣りですね。
新舞子から船に乗って沖に出ることが多いです。
求職者へメッセージ
よく"手に職をつける"という求人を見ますが、溶接の世界で職人を目指すのは簡単ではないです。
資格があるから通用する、ってわけでもない。現場を知らないと仕事にならないし、お客様も待ってくれません。
何をやってもうまくいかなかったり、周りに怒られて悔しい思いをしたり。
そんな経験を積み重ねて、ようやく"手に職"に近づけるのが現実です。
厳しいかもしれないけど、こういうことを言う人もいないと。
せっかく入社したのに「こんなはずじゃなかった」ってならないようにしたいです。
その上で飛び込んできてくれるなら、大歓迎です。